太陽エネルギーお役立ちコラム

凍結防止ヒーターの電気代はいくら?仕組みとコストを徹底解説(第1話)

冬の電気代を急増させる水道管の凍結防止ヒーター。「必要経費だから」と諦めていませんか?実は、ただ漫然と使うのと賢く運用するのとでは、出費に大きな差が生まれます。

本記事(第1話)では、まず知っておきたい凍結防止ヒーターの仕組みと、気になる電気代の相場について、具体的なシミュレーションを交えて詳しく解説します。

凍結防止ヒーターとは?水道管や給湯器を守る仕組み

凍結防止ヒーターとは、気温の低下によって水道管や給湯器の配管が凍結し、破損するのを防ぐために設置される電気式の保護装置です。特に外気温が氷点下になる地域や、屋外に露出している配管が多い住宅では、冬場の必需品とも言えます。

その基本的な仕組みは、配管に巻き付けられたヒーターが外気温を感知し、一定の温度以下になると自動的に発熱するというものです。多くの製品に内蔵されているサーモスタットは、外気温が約3℃程度まで下がると通電を開始し、約10℃程度まで上がると通電を停止するように設定されています。つまり、必要な時だけ効率的に作動することで、無駄な電力消費を抑えながら、配管内の水を凍らせないように守っているのです。

もし凍結防止ヒーターがなければ、配管内の水が凍結・膨張して破裂し、水漏れによる高額な修理費用が発生したり、数日間にわたって断水状態に陥り、生活に大きな支障をきたしたりする恐れがあります。このような事態を避けるために、凍結防止ヒーターは単なる「コスト」ではなく、家族の安全と快適な暮らしを守るための「保険」として非常に重要な役割を担っています。

気になる電気代はいくら?月々の目安

凍結防止ヒーターの導入を検討する際に、多くの方が最も懸念されるのが「結局、電気代はいくらかかるのか?」という点ではないでしょうか。一般的な家庭において、凍結防止ヒーターにかかる電気代は、月々で1,000円台に収まるケースもあれば、寒冷地の厳しい冬では10,000円を超えることもあります。

この金額の幅は、ヒーターの長さ、種類(自己温度制御型ヒーターかサーモスタット型ヒーター)、ご自宅の地域の気候、配管の断熱状況、そして契約している電気料金プランなど、さまざまな要因によって大きく変動します。例えば、比較的温暖な地域で短尺のヒーターを使用し、適切な断熱対策が施されていれば、電気代はかなり抑えられますが、極寒地で多くの配管にヒーターを設置している場合は、当然ながら電気代は高くなる傾向にあります。

まずは、ご自身の状況を思い浮かべながら、後述する具体的な計算例を通じて、ご自宅の凍結防止ヒーターの電気代がおおよそどのくらいになるのか、大まかな相場感を把握していきましょう。

水道管の場合

屋外の水道管に設置する凍結防止ヒーターの電気代を計算するには、以下の基本的な計算式を用います。「消費電力(W) ÷ 1000 × 稼働時間(h) × 電気料金単価(円/kWh)」です。

例えば、外気温が低い日にはヒーターが長時間稼働するため、電気代も高くなります。具体的なシミュレーションとして、以下のような条件で考えてみましょう。

  • ヒーターの長さ:5m
  • 1mあたりの消費電力:16W
  • 合計消費電力:16W × 5m = 80W
  • 1日の想定稼働時間:12時間(寒冷地で夜間から朝にかけて)
  • 電気料金単価:31円/kWh

この場合、1日あたりの電気代は「80W ÷ 1000 × 12h × 31円/kWh = 約29.76円」となります。これを1ヶ月(30日)で計算すると「約29.76円 × 30日 = 約892.8円」です。

もしヒーターの長さが10mであれば、合計消費電力は160Wとなり、1日あたりの電気代は約59.52円、1ヶ月あたり約1785.6円になります。このように、ヒーターの長さや稼働時間によって電気代は変動するため、ご自宅の配管状況に合わせて目安を算出してみてください。

【設置時の注意点】

凍結防止ヒーターは水道管を保護するために配管に直接巻き付けて使用します。ヒーターの効果を高めるために螺旋(らせん)状に巻き付けて設置する場合、目安として5mのヒーターで対応できる水道管の長さは約2.5mとなります。設置の際は、実際の配管の長さよりも長いヒーターが必要になる点に注意してください。

給湯器(内蔵・外付け)の場合

給湯器における凍結防止機能の電気代は、その種類によって大きく異なります。多くのガス給湯器には、冬季の凍結から機器本体を守るための凍結予防ヒーターが標準で内蔵されています。

この内蔵ヒーターは、一般的に消費電力が数十W程度と非常に小さく、電気代に与える影響は限定的です。例えば、消費電力が50Wのヒーターが1日10時間稼働したとしても、1日の電気代は約15.5円(50W ÷ 1000 × 10h × 31円/kWh)程度と、それほど大きな負担にはなりません。

一方で、給湯器本体から伸びる追い焚き配管や、給水・給湯配管などには、別途「外付け」の凍結防止ヒーターが必要になる場合があります。特にエコキュートなどのヒートポンプ給湯機では、ヒートポンプユニットと貯湯タンクを結ぶ配管の凍結対策が重要です。これらの外付けヒーターは、配管の長さに応じて設置されるため、その合計消費電力によっては電気代を押し上げる要因となることがあります。ご自宅の給湯器がどのような凍結防止対策を施しているか、一度確認してみることをおすすめします。

なぜ冬になると電気代が跳ね上がるのか?ヒーターの稼働条件

冬になると凍結防止ヒーターの電気代が跳ね上がる主な理由は、その稼働条件にあります。凍結防止ヒーターには、外気温を感知して自動でON/OFFを切り替えるサーモスタットが内蔵されています。

このサーモスタットは、外気温が例えば3℃〜6℃以下になるとヒーターに通電を開始し、配管の凍結を防ぎます。そして、外気温が10℃〜16℃以上に上昇すると、通電を停止します。つまり、一日中気温が氷点下を下回る真冬日や、夜間の冷え込みが特に厳しい時期には、ヒーターが長時間にわたって連続で稼働し続けることになります。

特に、日中の最高気温がほとんど上がらない「真冬日」が続くような期間や、強い風が吹き付けて配管が体感温度以上に冷やされるような場所、あるいは日当たりの悪い北側の配管などでは、ヒーターの稼働時間がさらに長くなる傾向があります。結果として、ヒーターの通電時間が延びるほど、その消費電力に応じた電気代が加算され、冬場の電気料金が大幅に高くなるという状況が発生するのです。

次回予告

「仕組みとコストは分かったけど、具体的にどうやって安くすればいいの?」

第2話では、消費電力を最大90%以上カットする最新の節約術や今すぐできる断熱対策、そして絶対にやってはいけないNG例を詳しくご紹介します。