太陽エネルギーお役立ちコラム

どんな施設に設置できるの?
施設別、PPAによる太陽光発電活用を解説

地球温暖化対策の加速とエネルギー価格の高騰が企業経営に圧力をかける中、持続可能なエネルギー源の確保は喫緊の課題となっています。初期費用を抑え、長期的なコスト削減と環境貢献を両立できる太陽光発電システムのPPAモデルは、こうした課題の解決策として注目を集めています。

PPA導入の基本から施設ごとの最適活用法、多様な導入パターン、具体的な導入事例、最新の制度動向、契約時の注意点、さらには未来展望に至るまで、企業の担当者がPPA導入を成功させるために必要な情報を解説します。

 

 

本記事は、弊社が開催したWEBセミナー「どんな施設に設置できるの?施設別、PPAによる太陽光発電活用を解説」の内容を要約したものです。

さらに詳しく知りたい方は、ぜひ「どんな施設に設置できるの?施設別、PPAによる太陽光発電活用を解説」をご視聴ください!

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太陽光発電システムのPPA導入について

PPAとは、PPA事業者(電力販売事業者)が企業の施設(工場、オフィス、倉庫など)に太陽光発電システムを設置し、発電した電力を施設所有者である企業に販売するビジネスモデルです。施設所有者は、高額な初期費用や煩雑な維持管理業務の負担なく、再生可能エネルギーを長期的に利用できます。

設備投資による導入とPPA導入の違い

PPAの多様な導入パターン

施設の電力消費量、立地条件、電力供給方法により、PPAの導入パターンは3つに分類されます。

オンサイトPPA

電力を使用する施設の屋根上、もしくは同一敷地内への太陽光発電システムの設置を行う場合は、既存の受電設備に直接発電した電力を供給するオンサイト接続となります。必要な送電線は最短となるため、送電ロスは最小限となります。また、設備にかかるコスト、維持管理費用も最も安くなるため、もっともスタンダードな接続方法です。

オフサイトPPA(自営線)

電力を使用する施設の近接する敷地や建物、近隣の敷地や建物に太陽光発電システムを設置し、他地権者の土地を架空や埋設などの手法で配線を行い電力供給を行う方法です。

理屈上は、延々と配線延長をかけることも可能ですが、地権者の合意や、賃貸契約、また道路や河川の場合は関連する法規の確認や各種届出などが必要で、現実的にはごく狭い範囲での実施が現実的です。

オフサイトPPA(自己託送)

電力を使用する施設から離れた場所に太陽光発電システムを設置し、系統電力網を通じて施設へ電力を供給します。実際には「発電した量相当」の電力を「施設使用した」とみなすことになります。需要と供給の量を一致させる必要があり、発電計画、需要計画を電力会社に提出する必要があり、このノウハウ構築に各社が取り組んでいます。

施設別、最適なPPAシステム構築のポイントと
導入事例

施設の特性と電力使用状況を分析し、最適なシステムを構築することがPPAの効果を最大化します。

デマンド削減による電気料金大幅削減

日中に電力消費が多い施設(オフィスビル、工場、学校など)は、自家消費率が高く、PPAのメリットを最大限に享受できます。特に、夏季昼間に電力消費がピークとなる施設では、デマンド(最大電力需要)削減による基本料金の削減が期待できます。

 

導入事例

長野市の給食センターでは、オンサイトPPA導入によりデマンドを約120kW削減し、基本料金を年間約450万円削減。さらに、CO2排出量を年間180トン削減し、環境貢献も実現。

365日稼働施設での効果

365日稼働する施設(病院、介護施設、24時間稼働工場など)は、太陽光発電の電力を常に有効活用できます。一方、週末や祝日に休業する施設では、余剰電力が発生しやすく、売電や蓄電池の導入を検討する必要があります。

 

導入事例

24時間稼働の工場では、オンサイトPPA導入により自家消費率を約20%向上させ、電力購入量を大幅に削減。さらに、蓄電池を併用することで、夜間や休日も太陽光発電の電力を有効活用。

最適なシステム設計で余剰電力を有効活用

屋根の大きさは設置容量に影響します。電力消費量が多い施設でも屋根が狭ければ十分な電力を供給できません。逆に、屋根が広くても電力消費量が少ない場合は、余剰電力を有効活用するための売電や他施設への電力供給を検討する必要があります。

 

導入事例

広い屋根を持つ倉庫では、オンサイトPPA導入により余剰電力を近隣の商業施設に供給し、新たな収益源を確保。さらに、電気自動車充電ステーションを設置し、地域貢献にも繋げる。

PPAに影響を与える制度の動向

FIT法(再生可能エネルギー固定価格買取制度)などの制度動向は、PPAの採算性に影響を与える可能性があります。制度の最新情報を把握し、長期的な視点で導入計画を立てる必要があります。

 

■FIP制度(フィードインプレミアム制度)の導入

市場価格に応じて売電収入が変動するため、リスク管理が重要。

 

■コーポレートPPAの普及

企業が直接再生可能エネルギーを購入する動きが加速。

 

■再エネアグリゲーションの進展

複数の再エネ発電設備を束ね、電力系統の安定化に貢献。

PPA契約時の注意点

PPA契約は長期にわたるため、契約内容を慎重に検討する必要があります。

 

■電力単価

市場価格との比較、固定価格期間、変動条件などを確認。

 

■契約期間

施設の耐用年数や事業計画との整合性を考慮。

 

■設備の所有権

契約満了後の設備の所有権移転条件を確認。

 

■解約条件

中途解約時の違約金や設備の撤去費用を確認。

 

■維持管理責任

設備の保守、点検、修理に関する責任範囲を確認。

 

■環境価値の帰属

発電した電力の環境価値(CO2削減量など)の帰属先を確認。

 

■出力制御

電力系統の安定化に必要な出力制御に関する条件を確認。

 

■災害対策

災害時の設備の安全性や復旧体制を確認。

 

■事業者の実績と信頼性

過去の導入事例や財務状況を確認。

まとめ

PPA導入成功への道

PPAは、企業の脱炭素化と電気料金削減を同時に実現する強力なツールです。導入を成功させるためには、施設の特性と電力使用状況を詳細に分析し、最適なシステムを設計することが重要です。また、契約内容を慎重に検討し、信頼できるPPA事業者を選択することが不可欠です。

 

本記事は、弊社が開催したWEBセミナー「どんな施設に設置できるの?施設別、PPAによる太陽光発電活用を解説」の内容を要約したものです。

さらに詳しく知りたい方は、ぜひ「どんな施設に設置できるの?施設別、PPAによる太陽光発電活用を解説」をご視聴ください!

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